2018年7月1日日曜日

兄の母校で人権教育講演~特定失踪者・藤田進さんの弟

雨の月曜日、埼玉県立浦和高校でおこなわれた人権教育講演「日本人拉致被害の問題」の取材へ。
特定失踪者家族会副代表・藤田隆司さんが、3年生約400人にお話しされました。
同校の卒業生である兄・進さんが突然失踪したのは、大学1年生(19歳)のとき。理由もわからず「家出をしたのか」「事故に巻き込まれたのか」とご家族は苦しんできました。
特にお父さまは、“男手一つで育ててきたため至らない点が多々あったから家出してしまったのではないか”と、ずっと自分を責め続けたそうです。
2004年、脱北者の証言と流出写真によって 北朝鮮による拉致と判明したものの、いまだに日本政府から拉致被害者認定されない現実があります。
講演2日前の6月16日は、進さんの62歳の誕生日でした。
1976年に拉致されて以来、42年間もの長きにわたり不当に囚われ、厳しい監視下に置かれて、いつ殺されるかもわからないような極限状態のまま、望まぬ人生を押し付けられ続ける……そんな異常事態、非人道的国家犯罪が許されてよいはずはありません。
日本の未来を担う高校生の皆さんが真剣な表情で耳を傾け、質疑する姿には、心強さを感じました。
と同時に、子供たちに“心身ともに豊かさの感じられる、安全で正義ある社会”を手渡すためにも、北朝鮮拉致問題は一刻も早く解決されなければならないと思いました。(関 佳子)