2012年7月18日水曜日

藤田隆司さん国連部会帰国記者会見(2012年7月17日 川口市役所)

国連人権理事会「強制的失踪作業部会」メンバーとの面談のためスイス・ジュネーブを訪れていた特定失踪者・藤田進さんの弟・隆司さんが、17日(火)午前、埼玉県川口市役所を訪れ、岡村幸四郎・川口市長に対し帰国報告を行いました。

その後、市役所内にて記者会見を行い、作業部会での人権委員との面談の内容等について語りました。会見のビデオを以下に掲載します。(収録時間:約39分)
(写真の中央:藤田隆司さん、向かって右:「拉致問題を考える川口の会」代表 前原博孝、向かって左:同・副代表 本間勝(拉致被害者・田口八重子さんの兄))



<会見の要旨>
藤田)主な日程の説明。
9日(日本時間)に成田発
10日(現地時間、以下同じ)国連の日本政府代表部を訪れ現地でのサポートを要請。
12日15:15~16:00 国連「強制的失踪作業部会」会議場を訪問し部会メンバー(人権委員)と面談。「強制的失踪作業部会」のメンバー(人権委員)は5人(下記リスト参照)で、5人全員で討議中の場に藤田さんが呼ばれたとのこと。
    ・WGEID - Members
  隆司さんから委員への説明:
   兄・進さんの失踪当時の状況、8年前に所謂「一枚の写真」が出てきて本人であるとの鑑定結果を得て拉致に間違いないと確信していること等を委員に説明した。
  委員の反応:
   5人の委員の代表であるオリバー氏(フランス)から「全力を挙げて決議案に採択されるよう努力したい」
   別の委員の一人から「拉致かもしれないという470件のデータを、国連の機関としても情報共有すべきではないか」
  おおむね好意的な反応だったという感触を持ったと藤田さん。
 13日帰途
 14日(日本時間)成田着


 藤田)今後、国連内において私の兄の案件を受理するか否か話し合いが行なわれる。『いつということは解らないが、いずれ受理されるのではないかという期待を私は持った。
 私の兄・藤田進の案件が、国連人権理事会に受理されるか否かが(今後の拉致問題全体にとって解決の)ポイントであると思う。


<質疑応答>
 記者からの質疑応答のうち、一問のみ掲載します。


 記者)10日以降、12日の部会での面談までの間の行動について教えていただきたい。
 藤田)次の順番で各機関等を訪問した。
     ・国連 日本政府代表部
     ・国連 大韓民国政府代表部
     ・アムネスティ・インターナショナル ジュネーブ支局 ・・・ 支局の代表と面会
     ・国連 人権高等弁務官事務所 ・・・ アジア担当官と面会
     ・ヒューマンライツ・ウォッチ ジュネーブ支局
     ・国連 アメリカ合衆国政府代表部

これらの訪問、面会を通じて藤田さんはいくつかのことを感じたとのことです。そのうちのいくつかを紹介します。

国連 人権高等弁務官事務所(OHCHR)のアジア担当官との会話では、「今年2月、OHCHRのメンバーが北朝鮮による日本人拉致問題の調査のために日本に来ている。報告書を出さなければならないので、その中に是非、あなたのお兄さんの案件を入れてもらったらよい」という言葉を戴いたとのこと。


 韓国代表部では、韓国では戦前500件、戦後500件の北朝鮮による拉致の案件があるという説明を受けた。日本でも拉致の可能性が少しでもある人のうち情報公開している案件が470件、非公開を含めると900件に上るのではないかと言われている。今まで北朝鮮による拉致被害者数は韓国が圧倒的に多いと言われていた。しかし、韓国の1000件に対して日本人の900件を併せ考えると、もしかすると日本人の拉致被害者数は韓国に匹敵するのではないかと感じたとのこと。
 
 今回のジュネーブ訪問を通じて特に感じたのは、日本には優秀な外交官がいる(存在する)ということ。(上でも述べたが)現地到着後、先ず訪問したのが国連 日本政府代表部。以降、代表部所属の大高参事官には、ジュネーブ滞在期間中ずっとサポートしていただいたとのこと。


以上、簡単ではありますが、会見の内容について触れました。詳しくはビデオをご覧ください。会見の模様を最初から最後まで掲載しています。

2012年7月13日金曜日

藤田隆司さん、国連「強制的失踪作業部会」で特定失踪者問題を証言

先日もお伝えしましたが、国連人権委員会 強制的失踪作業部会(2012年7月9日から23日までスイス・ジュネーブで開催)に出席のため渡欧中の藤田隆司さん(特定失踪者・藤田進さんの弟)が、12日(現地時間)、委員と面会し特定失踪者問題について説明をしたとのことです。今回の件を含め藤田さんを支援くださっているアジア調査機構・代表の加藤健さんが、藤田さんと電話やメールでやり取りした内容をメーリングリストで報告くださいました。


 以下は、その内容です。(加藤氏のメールの内容を引用させていただきました)




タイトル: 藤田さん国連訪問大成功!



皆様、朗報です!

さきほど藤田さんがジュネーブの国連強制的失踪作業部会を訪問しましたが、委員から「全力を挙げて協力する」といった前向きの発言が得られました!
いま電話で話しましたが、驚いたことに5人の国連委員全員と会うことができたそうです。藤田さんは特定失踪者数百人の写真が出ている調査会ポスターを見せて説明しましたが、17人しか拉致被害者がいないと思っていたであろう国連委員は仰天したことと思います。

さっそく時事通信と共同通信が伝えています。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012071201120
http://www.47news.jp/CN/201207/CN2012071201001985.html
またフジテレビや読売新聞も取材に来ていたそうです。

藤田さんからはメールで、「こうした結果が得られたのは、支援してくれた皆様のお陰と感謝致します」というメッセージが届いています。ありがとうございました。


今回藤田さんはアムネスティ・インターナショナルとヒューマンライツ・ウォッチという世界二大人権団体とも面会しました。またアメリカ大使館からも急遽面会を申し込まれ(先方から)、特定失踪者問題について説明してきました。短い訪問でしたが、大きな成果を得ることができました。

拉致対策本部の黒川氏は国連の外側まで同伴しただけでしたが、国連側に高級官僚同行は伝えたので、「日本政府、そして一億国民が藤田さんの後ろにいる。拉致問題解決は全日本国民の願い!」というメッセージは伝わったと思います。結果オーライでした。

肝心の受理は、ほぼ間違いないと見ていいでしょう。ホッと胸をなでおろしました。
この「国連準認定」が、特定失踪者問題を大きく動かすことを願っています。

加藤健





加藤氏の報告や両通信社の記事を総合しますと、5人の国連委員全員と会うことができたそうです。藤田さんが調査会のポスターを見せて説明したところ、委員から「全力を挙げて協力する」といった前向きの発言が得られたとのことについて、藤田さんは手応えを感じている様です。
 
 本当によくやってくださったと思います。加藤氏も述べていますが、国連が藤田さんの申し立てを受理すれば、北朝鮮による日本人拉致問題が17人の認定者にとどまらず、多くの特定失踪者を含めた問題であることが国際的に共通認識され、特定失踪者問題を含む拉致問題の解決に向けて、大きな一歩を踏み出すことが期待できます。


 藤田さんもおっしゃっていますが、今回の結果は藤田さんのご努力はもちろんのこと、加藤氏をはじめ支援くださった関係者の皆様、暑い日も寒い日も休むことなく拉致被害者救出のための署名活動を続けてくださっている全国の皆様、署名くださった方々、そして松原仁・拉致担当相をはじめとする政府・拉致対策本部のご助力が結集したものと思います。僭越ながら、当会(拉致問題を考える川口の会)としても、全ての皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。
 
 
 なお、加藤健氏からのメーリングリストによって、現地ジュネーブの現状を把握出来たことを、ここにあらためて申し述べます。加藤様、本当にありがとうございました。
 
 
 今後とも引き続き、拉致被害者・田口八重子さんと特定失踪者・新木章さん、同・佐々木悦子さん、同・井上克美さん、同・藤田進さんの救出のため、皆様のお力をお貸しくださいますようお願い申し上げます。





 今回の国連作業部会出席の経緯につきまして、藤田隆司さんをはじめ川口市に住む拉致被害者ならびに特定失踪者の家族が行なった記者会見の模様を以下に掲載します。



2012年7月5日木曜日

記者会見(2012年7月4日)のご報告-藤田隆司さんジュネーブへ 国連「強制的失踪作業部会」で証言

昨日、川口市役所本庁舎内で開かれた「拉致問題を考える川口の会」(代表:前原博孝)主催の記者会見のビデオを公開しました。(YouTube版とUstream版があります)

YouTube版


Ustream版



Video streaming by Ustream

 特定失踪者・藤田進さん(※1)の弟・隆司さん(※2)が、国連人権委員会「強制的失踪作業部会」(7月9日から13日までジュネーブで開催)に出席して人権委員に説明をすることになりました。本件に関し、マスコミ各社の報道を通じて広く知っていただくために、急遽、記者会見を開くことになりました。


※1: 昭和51年2月7日、埼玉県川口市の自宅を出たまま行方不明となる。平成16(2004)年、北朝鮮から脱出した人の所持品の中に、北朝鮮で撮影された一人の男性の写真が含まれていた。高校時代の写真との比較・分析を専門家に依頼したところ同一人物であるとの鑑定結果が出た。しかし、8年が経過した現在も、日本政府による拉致認定を受けていない。


※2: 「特定失踪者等の拉致認定を求める会」代表、「拉致問題を考える川口の会」幹事
 
 藤田隆司さんは会見で、作業部会では、兄・藤田進の件について写真、ペーパーなど出来るだけ多くの資料を使って説明することはもちろんのこと、470名といわれる日本人の特定失踪者についても説明したい。そのことによって、日本人拉致被害者の問題を真に理解してもらえると思う、と話されました。


 本日の会見には、藤田隆司さんのほか、拉致被害者・田口八重子さんのご家族と、特定失踪者・佐々木悦子さん、新木章さんのご家族も出席され、一日も早い帰国のため政府をはじめ国民の皆様の協力を訴えられました。
 
 記者会見の開催にあたって、川口市の全面バックアップをいただきました。市長をはじめ、川口市職員の皆様に、会見場の提供、設営などご協力を賜りました。この場をお借りして、御礼申し上げます。
 
 

2012年7月3日火曜日

特定失踪者・藤田進さんの弟・隆司さん国連作業部会出席、来週ジュネーブへ

当会のメンバであり、特定失踪者・藤田進さんの弟・隆司さんが、来週スイスのジュネーブで開かれる国連人権委員会の強制的失踪作業部会に出席することになりました。北朝鮮による拉致の疑いを排除できない、いわゆる特定失踪者、なかでも拉致の可能性が極めて高いとされる1000番台である藤田進さんの失踪から現在にいたるまでの状況について、被害者家族として説明をしたいとのことです。

-- <記者会見のご案内> -------------------------------------------------------

  このジュネーブ訪問についての藤田隆司さんの記者会見が当会(拉致問題を考える川口の会:前原博孝代表)と川口市の協力により、次の日程で行われます。報道関係者の皆様には取材をよろしくお願いします。

   7月4日(水) 11:00〜 於川口市役所本庁舎2階第3会議室
   問合せは前原代表にお願いします(090-4423-8097)


 Ustream中継: http://www.ustream.tv/channel/abductee-rescue-by-kawaguchi-s-meeting
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この件に関して、特定失踪者問題調査会の荒木和博代表(拓殖大学教授)が、すでにブログで紹介していただきました。
     藤田隆司さんジュネーブへ(荒木和博BLOG)


また、ここにいたるまでの経過として、昨年の大使館廻りから、今年4月進さんの救出を求める申立書の国連への送付、国連から出席可の返事受けて5月松原・拉致担当大臣と面会・日本政府へ協力要請を行なった経緯について、この間の動きに大きく関与された加藤健さんが詳しく書かれていらっしゃいます。
松原大臣はどう判断するか?(kenkato)

川口駅前 街頭署名活動(2012年7月1日)

先週の日曜日(2012年7月1日)JR川口駅街頭にて、拉致被害者の救出を総理大臣に要請する署名活動を行ないました。





 断続的に小雨の降る中、目的地へ急ぎながらも足を止めて署名くださった方が、少なくありませんでした。大変ありがたく思います。お陰さまで約300筆のご署名をいただきました。
 
署名の様子(ビデオ)